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2002年度総会報告


(於2002.4.28 白雲荘) 
T.2001年度活動報告

*本研究会の活動は、2001年度より、事務局を大阪外大に移転したが、『野草』『会報』の発行を始め、「例会」「夏期合宿」などにわたって、全般的には従来の水準を守ってきたと言える。
*新年度に向けて、会費未納会員の整理をしたため会員数は266名(2002.4.28現在)と若干減少した。新規加入は大学院生を中心とする若手層が目立っている。こうした若手層は一定研究会の例会や合宿に参加してきており、その力を研究会の活力にどのようにつなげていくか、が今後も重要な課題である。
*運営面では、事務局の役割分担を明確にして、順調に研究会活動が展開されたと考えられるが、事務的に引継ぎの不十分さと経験不足により、若干の事務的混乱が見られた。一部の担当者に負担がかかりすぎているといった問題も十分解決されたとはいえず、運営のあり方をめぐって、事務局ネットワーク上で、幾度か意見交換を行なった。その内容と方向性については、2002年度の方針に反映されている。今後、事務局の役割(分担体制と全体の調整など)を実践的に工夫していくことを通じて、実務や運営を直接的に担う会員を増やし、研究会の活性化につなげていく必要がある。「研究会の運営は参加者みんなで担おう」の精神を広げていくことは、今後も重要な課題である。
*以下、各事業項目に従って活動状況を報告する。

(1)『野草』刊行について

*第68号 (2001年8月1日刊行、編集担当:斎藤敏康)および第69号(2002年2月1日刊行、編集担当:和田知久・谷行博)を予定どおり刊行することができた。
*第68号は、執筆者が多く、結果として増ページとなった。内容的には、一定の水準が維持できたと考える。が前任者との引継ぎ、査読、連載の扱いなどで課題を残したため、その問題を解決すべく、「『野草』編集の手引き」を作成した。第69号はこのマニュアルに基づいた編集業務を行い、比較的順調に編集作業を進めることができた。しかし「特集」のあり方と「原稿審査(査読)」のシステム化も含めて、「『野草』編集の手引き」の内容について、継続的に検討していかねばならない。
*増ページの資金的裏づけとして、広告を多く掲載したが、今後、このような措置が日常化することは望ましいことではない。
*関西在住の会員の場合、例会・夏合宿における報告・討論の後に『野草』に執筆するという方向性は、この間、ほぼ定着してきている。

(2)『会報』発行について

*和田知久・好並晶・今泉秀人・藤野真子・永井英美・井上薫の編集担当者の努力によって、第234号(4月)〜第245号(3月)まで順調に発行した。遠隔地在住者による編集も、コンピュータネットワークを用いた協力体制により定着したと言ってよい。
*運営事務の簡素化のため、今期から12頁を限度とすることが取り決められ、定着しつつある。投稿を増やしつつ内容充実と多様化を図ることは、近年来の課題として今後も引き継がなければならない。「交流」は、?会員の意識的努力とコンピュータネットワークの活用により、充実しつつあるが、情報提供者に偏りがあることも事実である。会員の自覚的な情報提供と組織的な情報収集が求められる。また、「例会」記録は、報告者によるレポートとなって、要領を得た文章で例会の内容を反映できるようになった。
*「例会」との連係を強めると同時に、誰でも気楽に投稿できる、機動性のある研究情報誌としての『会報』のあり方を更に工夫していくことが課題となっている。

(3)「例会」開催について

*年間10回の開催を確保し、毎回コンスタントな参加者を得て安定的に開催しており、発表内容も基本的に高い水準を保っている。参加者は若手層が増加している一方で、中堅・ベテラン層に若干の減少傾向が見られる。ただし、発言者が限られる状況も存在しており、今後、より多くの参加者からの積極的な発言が期待される。
*『野草』特集関連の報告・12月例会の書評など、担当者(北岡正子)の工夫によって、「例会」の活性化に向けた試みが図られた。「例会報告→『野草』論文掲載→例会における合評」というサイクルはほぼ定着しつつある。

(4)「夏期合宿」について

*昨年度は、担当者(鈴木康予・斎藤敏康)の企画により、8月29〜31日の3日間にわたって京都府大原「大原の里」において開催された。参加者はのべ23人と、例年より若干増加している。
*阿部兼也・北岡正子両先生の著書をとりあげ、「自著を語る」と題し、従来の書評とは異なる形の討論を行ったのは新しい試みであるし、また『野草』特集関係の報告と個人発表も充実していた。

(5)「野草基金特別事業」関係について

*「野草特別基金」を解消したので、「野草基金特別事業」は、とくに行っていない。
*白帝社「図説中国20世紀文学」の印税を、「野草基金」に組み入れた。

(6)「野草ネットワーク」について

*事務局の連絡、『野草』『会報』の編集などにとって、コンピュータネットワークは不可欠である。今後、フェイス・トゥ・フェイスの場とネットワークの双方の連係が重要となっている。
*ホームページは、担当者にあらたに菅原慶乃を加え、2002年1月からホームページ更新作業を担当してもらうようになり、更なる充実を図っていくことが期待される。なお、2001年度末に、新年度に向けた大幅な改定を行った。アドレスも次のように変更になった。
    http://bluesky.osaka-gaidai.ac.jp/~bungei/bungei.shtml
*「野草掲示板」の再構築は担当者多忙のため、できなかった。
*「会報」のHTML化も実現しなかった。
*「野草メーリングリスト」と「事務局メーリングリスト」は、会員の交流の場として、また実務作業のスムースな進展に向けて、重要な役割を担っているが、今後のさらなる有効活用のあり方を工夫したい。

U.2002年度活動方針

*2002年度は、事務局が大阪外国語大学に移って2年目を迎える。新たな運営体制を定着させ、研究会の全般的活動の水準維持と向上につながるように努力しなければならない。
*引き続き、事務局の仕事を合理化し、明確な分担体制を確立し、各種活動が連係しあえるように円滑な運営を図ることが必要である。
*その際には、大学院生を中心とする若手層および関西以外の会員にも主体的・積極的な参加と具体的な役割の分担をお願いしたい。「(例会への)参加」から「(研究会への)参画」へと、どう踏み出していってもらえるか、活動の工夫を続けるとともに、若手層の自主的積極的取り組みも歓迎したい。会員自身による「参画」型の研究会活動を目指すことを目標とする。

1.各種研究活動について

(1)『野草』刊行

*会員の研究成果を公表する場として常時機能するように、いっそうの工夫を図ると同時に、従来通り「特集」を軸にした展開も進める。なお、編集作業においては、「『野草』編集の手引き」を活用し、締切り厳守の徹底により、「原稿審査(査読)」、版下作成を含む全ての編集作業を円滑に進める必要がある。
*そのためにも、「例会」との連係をよりいっそう重視し、「例会報告→『野草』論文掲載→例会における合評」というサイクルのいっそうの確立を図る。『野草』編集担当者は、特集テーマを早期に決定し、執筆者と連絡を密にして、上記のサイクルがゆとりをもって円滑に進行するようはかる。
*「原稿審査(査読)」の方法については、必要に応じて編集委員会を開催するなどして、客観性と公平性を保持できるようにつとめる。査読者名は原則として非公開とする。
*査読者の役目は、原稿の掲載の可否を判定するところまでとし、その後の問題にはかかわらないことを原則とする。
*執筆者は「合評」の場に出席することを期待したい。「合評」の記録は『野草』誌面に反映させる。
*当面の発行計画は以下の通りである。
 第70号──2002年3月末締切、2002年8月1日刊行予定。編集担当:松浦恆雄・是永駿
 第71号──2002年9月末締切、2003年2月1日刊行予定。編集担当:福家道信
 第72号――2003年3月末締切、2003年8月1日刊行予定。編集担当:三須祐介(サポート:藤野)
*原稿の応募・投稿は、以上のスケジュールを会員に「会報」、ホームページなどで周知徹底したうえで、締切を厳守して頂くことを条件とする。
*原稿は、その都度うけつけることにし、その号でいったん不採用になったものを、修正して再度投稿する場合は、改めて査読にかけることとし、優先権は認めない。
*長編原稿は、完成したものが投稿された場合のみ受け付けて、査読に回す。連載の(上)だけで(下)がないというような未完成原稿は受け付けない。

(2)『会報』発行及び発送

*和田知久・好並晶・藤野真子・永井英美・井上薫・上原かおりの編集担当体制によって発行する。
*内容の充実・活性化をいっそう図っていくことが課題である。この間、若干弱まっている「交流」欄を充実させる必要がある。事務局でも工夫を図るが、全国の会員の皆さんも、「野草メーリングリスト」などを活用して研究情報を寄せていただくようお願いしたい。
*各号は編集担当者の裁量で「論文時評」「書評」「舞台・映画評」「個人蔵書紹介」といった企画や、「修士論文紹介」欄(若手層の研究テーマ紹介コーナーにもなろう)などコーナーの新設を工夫する。「例会」記録は原則として、「例会」の発表者に執筆をお願いする。海外留学者と連絡を密にし、現地レポートを書いてもらえるようにする。海外留学者はEメール・メーリングリスト等を通じて現地レポートを寄せるように努力されたい。
*8月号が第250号になるので、特大号を出す。関東方面の原稿集めを上原かおりに担当してもらう。249・250・251合併号を7・8・9月合併号とし、発行は9月末。合併号の編集は、永井英美・好並晶を代表として、会報担当者全員で当たる。それにともない、編集担当月のローテーションを組みかえる。
*編集担当者・〆切・原稿送付先は以下の通り
原稿送付先
郵送の場合
〒562-8558 大阪府箕面市粟生間谷東8-1-1 大阪外国語大学青野研究室気付 中国文芸研究会事務局宛
250号記念号については、〒930-8555 富山市五福3190  富山大学国際文化学科国際文化講座  藤野真子宛
メールでの送信は中国文芸研究会事務局まで
〆切 編集担当者
〆切 担当者
4月号 3月末日 和田知久
5月号 4月末日 好並晶
6月号 5月末日 藤野真子
7・8・9月合併号(第250号) 6月末日 永井英美を代表とし、会報担当者全員で当たる
10月号 9月末日 永井英美
11月号 10月末日 井上薫
12月号 11月末日 上原かおり
1月号 12月末日 和田知久
2月号 1月末日 好並晶
3月号 2月末日 藤野真子

 原稿は、原則としてフロッピィ入稿にプリントアウトを添付(外字部分を明記)することとし、返却は行なわない。ただし、原稿・写真などの返却を希望する場合は、その旨を申し出て、返信用封筒(切手添付)を同封することとする。なお、Eメールによる入稿も可であるが、その際も別便でプリントアウトを郵送するのがのぞましい。
*海外研究機関・研究者への贈呈及び海外留学者への配送サービスのあり方については引き続き検討する。
*会報のページ数は、最大12ページを超えないように編集し、それを超える原稿については、原則として次号回しとするか、不採用とすること。
*会報の発送にあたっては、編集担当者は、担当する号の目次及びページ数を事務局 メーリングリストに報告すること。
*発送に必要な封筒・糊などの文房具は、会場(大阪経済大学谷研究室及び白雲荘)に備え置く。発送用の切手は、80円のものを例会の前に、担当者が買っておく(京都:太田進、大阪:谷行博を担当者とする)。『野草』と『会報』を同時発送する場合は今泉秀人が郵送費を計算し、必要分を用意する。
*会報をオンライン化し、ホームページから目次だけでなく、本文も読めるようにすることが可能かどうか検討する。会報のHTML化については、会報の編集者とネットワーク担当者が連絡をとりあって行うこと。

(3)「例会」開催

*「例会」の開催は、例年通り、年10回とする。各月最終日曜=午後1:30開会。ただし7・8月を除く。また、12月は忘年会を兼ねるため、最終日曜開催とは限らない。
*講演(会員外・他領域・外国人研究者などを含む)・書評を年間各1回程度、適宜行なう。『野草』合評は、討論内容を『野草』誌上に掲載する。『野草』の「特集」テーマに関する報告は、必要に応じて数回組み込むこととする。それら以外が個人会員の自由な研究発表の場となる。準備の都合上、研究発表希望者は早目に申し込むことをお願いしたい。コメンテイターについては臨機応変に考える。
*「例会」担当係は、北岡正子とし、報告者の調整と例会の企画を図る。
*具体的スケジュール(「例会」カレンダー)などは以下の通りとする。
 現在、決定している報告予定者。なお、単純計算では、通年14回の発表の機会があるが、随時、『野草』の「特集」関連報告、講演・書評などが入る。現在のところ、夏合宿では「特集」関連の企画をも組み込む。
第一報告 第二報告
4月 講演:橋本草子 総会
5月
6月
7-8月 (「夏期合宿」を7・8月例会にあてる)
9月 『野草』70号合評
9月
10月
11月
12月 忘年会(講演・書評など)
1月
2月
3月 『野草』71号合評
(★『野草』特集関係)

 会場は、偶数月は白雲荘(京都会場=京都市上京区寺町上立売上ル2筋目西入ル Tel 075-231-1320)とし、奇数月は大阪経済大学(大阪会場=大阪市東淀川区大隅2-2-8)とする。ただし、1月例会は、入試の関係で会場変更になる可能性があるのでご注意いただきたい。会場の予約は偶数月会場の白雲荘に関しては宇野木洋を、奇数月会場の大阪経大については谷行博を予約の担当とする。

 発表希望者は、例会担当:北岡正子まで直接電話で申し込むこと。

(4)「夏期合宿」開催

*集中的な研究交流の場として、今年度も「夏期合宿」を実施する。テーマ・報告者・場所などについては、合宿担当: 鈴木康予を中心に具体化を図る。
*現在までに決定している「夏期合宿」スケジュールは下記の通り。

日時:2002年8月28日(水)〜30日(金)
場所:徳島県鳴門(宿泊場所未定)
費用:(2泊4食、交通費別)
【A】30000円【B】25000円【C】20000円
(【A】=専任 【B】=非常勤 【C】=院生)
内容:
@書評/ 未定
A個人発表/ 西村正男 (一名未定)
B『野草』72号関連発表
  劉怡  (東京都立大学大学院博士課程)
    三須祐介(早稲田大学文学部助手)


(5)「書評の会」

*「書評の会」は、昨年度一年間は、諸般の事情でお休みした。開催の方法や時間などを工夫するなど今後の課題も多い。当面、偶数月京都会場のときに「例会」前の午前中という日程で実施していくが、引き続き運営のあり方も検討する。運営担当は松浦恆雄とする。

(6)「特別事業」計画

*阪口直樹を中心に、短期及び長期的計画をねる。研究会の事業として、現在のところ、 『中国20世紀文学研究ガイド』(仮称)や『今天』増刷などが候補として挙がっているが、それらも含めて検討課題とする。

(7)「野草ネットワーク」

*コンピュータネットワークを利用した『会報』『野草』の編集の効率化は実現・定着した。コンピュータネットワークは、単に事務の効率化に留まらず、遠隔地との交流や種々の情報提供・発信手段としても、大きな可能性を持っている。それを全ての会員のものとするために、インターネットの普及なども視野に入れつつ、今年度も引き続き実践的に検討を深める。担当は青野繁治・菅原慶乃とする。
*『野草』掲載論文の検索を始め、本研究会に関する様々な情報を発信している「ホームページ」( http://bluesky.osaka-gaidai.ac.jp/~bungei/bungei.shtml )を、いっそう豊かな内容に充実させていく。特定の個人への負担を軽くするため、ホームページの管理を「野草」「会報」「例会」「記録」「その他」など項目毎に分担することが望ましいが、今後、青野繁治・菅原慶乃を中心に、項目毎の担当者を募集し、管理の仕方を検討していく。
*「野草メーリングリスト」(加入及び脱退に際しては、ネットワーク担当の青野aono@osaka-gaidai.ac.jp までメールでアドレスを知らせることで加入手続きを行う)を活用した会員間の交流にも期待したい。特に論文・著書などを書かれた方は、メーリングリスト等を通じて、題名、発行所、年月日などをお知らせいただきたい。
*「電子掲示板」を再構築する。「野草掲示板」を通じて、中国文学研究に関する情報及び会員、非会員の忌憚ない意見を吸収できるようにする。

2.運営体制について

*研究会の運営は、事務局、『野草』編集委員会及び運営委員会によって行う。若手層の参加を推進して、再編・強化を図る。

(1)事務局

*事務局は、総会決定に基づき、『会報』編集・「例会」開催・『野草』印刷などの日常的な実務を担当する。事務局担当幹事を中心とした責任体制をより明確にしていく。今年度の幹事は、青野繁治・松浦恒雄・阪口直樹・宇野木洋の4人で担う。<
*事務局の住所は以下の通り。
 〒562-8558 大阪府箕面市粟生間谷東8-1-1 大阪外国語大学 青野研究室気付
     電話とファックス:0727-30-5245 E-mail: bungei@bluesky.osaka-gaidai.ac.jp
*ほかに、「例会」担当:北岡正子、組織・財政担当:今泉秀人、『野草』印刷担当:平坂仁志、『会報』編集担当:和田知久・好並晶・藤野真子・永井英美、井上薫・上原かおり、「夏期合宿」担当:鈴木康予、「野草ネットワーク」担当:青野繁治・菅原慶乃、「特別事業」担当:阪口直樹によって事務局を構成する。

(2)『野草』編集委員会

*『野草』編集委員会は、『野草』の編集・刊行全体に責任を持ち、また「原稿審査(査読)」のあり方などを始め、中長期的な課題について検討を行なう。2002年度は、青野繁治・藤野真子・平坂仁志・北岡正子・是永駿・岡田英樹・松浦恆雄・太田進・阪口直樹・斎藤敏康・谷行博・宇野木洋・和田知久・好並晶及び本年度および次年度『野草』編集担当の福家道信、三須祐介によって構成する。
*『野草』編集委員会は、必要があれば、参加者を拡大して開催することができる。

(3)運営委員会と会計監査

*運営委員会は、事務局で処理が困難な問題が生じたり、長期的・大局的な観点が必要とされる場合に、運営委員長の責任において開催され、問題の処理にあたる。その構成は、太田進(運営委員長)・筧文生・是永駿・岡田英樹・谷行博及び事務局構成メンバーとする。
*財政の健全な執行を図るべく、会計監査役を置く。会計監査役は橋本草子とする。
(文責:青野繁治)


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