例会記録

3月例会


1998.3.29 京都・白雲荘


報告1:絹川浩敏「阪口直樹著『新聞メディアから見た中国現代文学』」


T.文学史とメディア
U.清末民初――「南社」の文学活動と新聞事業
V.商業的新聞ジャーナリズムの近代化
W.新聞「副刊」と文学
X.『世界晩報』と新聞連載小説
Y.まとめ

若干のコメント
 ☆中村忠行氏の業績
 ☆カルチャラル・スタディの方法 『伝統の創造』
 ☆大衆文学の再評価 政治性と娯楽性 政治性と芸術性
 ☆メディア論 鈴木健二『ナショナリズムとメディア』岩波書店 「公共圏」   イ・ヨンスク『「国語」という思想』岩波書店

(絹川氏のレジメより抜粋)


報告2:松浦恆雄 「是永駿『スタイルの中国現代小説史』」

T.是永論文のキー・ワードとその構成
 ◎キー・ワード 1 スタイル 2 純文学/俗文学 3 文言/白話、年代記的時間/絶対的時間 4 リアリティ 5 作品評価の開放性
 ◎論文の構成
  1 小説史におけるスタイルの射程
  2 「純文学」と「通俗白話小説」
  3 媒体言語と文学史の時間
  4 小説のリアリティ
  5 文学史のダイナミクス
U.論点の再検討
  1 小説のスタイルと言語
  2 大衆文学の特色とその価値
    ◎読者の位置 a感化 b主体的感化 c主体的参与 d投稿・手紙による参与
    ◎発表形態(新聞連載と章回体)
  3 媒体言語と文学史の時間
    ◎媒体言語 大衆語/旧白話(語り調)/五四白話(新文学、心理描写)/文言
    ◎絶対的時間 G.バシュラール『瞬間の直感』紀伊国屋書店1997.6
     詩的瞬間と形而上的瞬間
  4 小説のリアリティー(純文学と俗文学のリアリティーは同じか)
    ・現実との相似によって判定されるのではなく、読者にとって本当らしく思えることがリアリティーである。
    ・話劇のリアリティー:舞台が現実と相似することでイリュージョンが生れる。観客は舞台を受け入れるのみ。(第四の壁)
    ・伝統劇のリアリティー:舞台を観客の心の中で再構成してイリュージョンが生れる。観客は主体的に参与。@池田浩士『大衆小説の世界と反世界』(現代書館1983)
    ・リアリズムの問題:中国現代文学は「リアリズム」にいかに取り組んだか。
  5 文学史のダイナミクス
    ・作品論、作家論を越えた言語、スタイルの史的展開は可能か。

(以上、松浦氏のレジメより抜粋)

司会:宇野木洋



討論風景及び飲み会のスナップ

  

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